ヤマハサウンドシステム 武田 信次郎様

ホーム › ブランド・プランナー1級取得者

ブランディングは不易流行そのもの。
建設業界の未来を見据えて「ブランディングエクセレントカンパニー」を目指す

受講生

ブランド・プランナー1級
ヤマハサウンドシステム株式会社 代表取締役 武田 信次郎様
HP:https://www.yamaha-ss.co.jp/

ブランディングが必要だと思った背景

「不易流行」を掲げて風土改革などを試みていた


※10周年を迎えたヤマハサウンドシステム

学生の頃からバンドをやっていた縁で音響に興味があり、卒業後は音響機器の企業に就職しました。その後は紆余曲折があり、現在はヤマハサウンドシステム(YSS)の代表を務めています。

実はYSSは二つの企業が合併して2009年に誕生した企業で、それぞれのDNAが合わさった組織なんです。私が代表に就任したのは設立10年目。ビジネス面では合併したメリットはたくさんありますが、企業風土面ではいろいろ課題がありました。

異なるルールで活動してきた2社が合併したので、新会社のルールを守るためにもトップダウンでスタートしています。ルールを守る風土によって「保つ能力」は非常に高く、設計品質や施工品質も高く保たれています。その反面、改善する能力やイノベーションの能力は決して高いとは言えませんでした。これらを高めるためには、もっとボトムアップを強めていく必要があります。

保つ能力を活かして守るべきところは守りながら、ボトムアップによって変えるべきところは変えていきたい。そこで、設立10周年の節目に新しい経営方針を策定しました。その要諦に「不易流行」を据えて風土改革などを試みてきましたが、イマイチ良い成果が実感できずにいたタイミングでブランディングを学び始めました。

「ヤマハサウンドシステムに依頼したい」という選ばれる企業を目指す

当社はホールや劇場などの大空間を得意とする音響設備会社で、業態で言えば建設業です。建設業はいわゆる「労働集約型」の産業で、人がいないと始まりません。人を育てていくことが企業の成長に直結します。また、建設業界は重層下請構造ゆえに、厳しい価格競争に晒されています。

価格競争を脱して、独自性で選ばれるようにしていきたい。「YSSに依頼したい!」「YSSじゃないとダメなんだ!」という選ばれる企業に舵を切る方向性にシフトしたい思っていました。まさにブランディングの考えですね。社内にブランディングの考えを根付かせたいと思ってはいたものの、まだマーケティングの部署すらない組織だったので、まずは私が主導する形でマーケティング部を発足させました。

ブランディングから学んだこと

講座を通じて「不易流行=ブランディング」と確信した

ブランド・プランナー協会の講座で学んでいて、新経営方針のコンセプトでありブランディングそのものであると思っていた「不易流行」が出てきた瞬間は驚きました(笑)。

不易流行は「守るべきものは守り、変えるべきものは変える」という意味であり、「これってまさにブランディングそのものだな」と解釈していましたが、講座の中でも同じ文脈で使われていて「間違っていなかった」と確信しましたね。

そこで学んだ内容をベースにマーケティング部でアウターブランディングを推進していきました。インナーブランディングはマネジメントなので、こちらはマーケティング部ではなく、職制を通じて推進しました。ただ、マーケティングが社内に根付き始めていた段階なので、混乱させないためにも「ブランディング」という言葉はあえて使いませんでした。

ブランディングを推進することで、「らしさ」を体現しつつある


※ブランドメッセージ「もっと、音を。」

詳細は1級レポートを見ていただきたいのですが、特にインナーブランディングには力を入れましたね。YSSのコアバリューを「(音響機器ではなく)音をお売りする、音を買っていただく」と定めました。お客様が欲しいのは「音」であり、音響機器はその手段でしかない。つまり、顧客価値は「音」であると明確に定義したのです。

そこからつくり上げたブランドメッセージが、「もっと、音を。」です。これをオフィシャルサイトや音響系の雑誌に広告として出したり、記事広告などの読み物コンテンツを制作しました。同時にウィンザー効果(信頼性を上げるべく、第三者に好意的な印象を持ってもらい反応してもらう)を狙うべく、Facebookページの開設や「幕あい」という劇場コンサルタントや音響コンサルタント、音響業界組合のトップと私が対談する企画も実施したりと、多面的にブランディングを推進しました。

これは効果が目に見えて表れ、お客様やお取引先様から「良いですね!」「YSSさんは、音響屋や建設業というより、良い音をつくる企業ですね!」と言っていただけたりと、ありがたいお言葉をたくさん頂戴しました。

まさにブランドメッセージの「もっと、音を。」が体現できた瞬間だなと思いましたね。

これからのブランディング

建設業界のブランディングはやったもん勝ち

建設業界ではブランディングはやったもん勝ちだと思います。大阪の三和建設様静岡の加和太建設様のように先駆けてやっている企業はあるものの、業界全体を見渡したらまだまだなのが現状です。だから、独自性を打ち出しやすい。

当社はこれからも、ブランディングを通じて企業価値を高めていきたいと思います。それによって、脱価格競争を図り、「YSSじゃなきゃダメなんだ!」という企業を目指していきたい。そのプロセスにおいて、企業文化も変革させていきたいと考えています。

おかげさまで少しずつですが、他社よりも見積もりが高くても「YSSさんにお願いしたい」という仕事も増えてきて、嬉しい限りです。

ボトムアップ組織をつくるにはトップダウンが必要


※Facebookページからの情報発信を活発化

マーケティング部をつくりしばらく経ちますが、徐々に社内もマーケティングやブランディングを意識しつつあるかなと思っています。まだまだ時間はかかりそうですけどね(笑)。

最初は私がマーケティングやブランディングを主導していたので、トップダウン型にスタッフから見えていたと思いますが、あくまで狙いはボトムアップ型の組織をつくること。 でも、いきなりボトムアップ型の組織なんてできませんよね(笑)。「ボトムアップはトップダウンからしか生まれない」と考えています。トップが興味のないことは、現場には根付きませんから。

でも、マーケティング部が頑張ってくれたおかげで、社内からも好意的な声が挙がりつつありますね。「両親がFacebookを見て“いい会社だね”と言ってくれました!」とスタッフが私に報告してくれたりと、嬉しいトピックスもあります。

「YSSで働きたい」「ブランドに共感した」と言う学生が続出

人材育成の観点から2020年10月に「YSSアカデミー」を開校しました。スタッフが教え合い学び合う社内大学ですが、これをオフィシャルサイトやFacebookで告知したら、新卒採用にダイレクトに効果が表れました。

「YSSアカデミーをやっている御社で働きたいです」「御社のミッションやビジョンに共感しました」と、面接で言ってくれる学生がたくさんいて嬉しかったですね。ここでも採用面のブランディング効果を実感しました。

アウターブランディングもインナーブランディンもまだまだ道半ばですが、これからもブランディングを軸にしてYSSをもっともっと面白い会社にしていきたいと思います。目指す先は「ブランディングエクセレントカンパニー」です!

ヤマハサウンドシステム様の概要

ヤマハサウンドシステム株式会社 Yamaha Sound Systems Inc.
代表取締役 武田 信次郎
〒103-0015 東京都中央区日本橋箱崎町41-12 KDX箱崎ビル
TEL:03-5652-3600 / FAX:03-5652-3927
HP:https://www.yamaha-ss.co.jp/
Facebook:https://www.facebook.com/Yamahasoundsystems.Inc/

一覧ページに戻る »