ブランディングの資格・検定おすすめ4選|学べる内容・費用・活かし方を比較
監修:松井 寛志
編集・発行:一般社団法人 ブランド・プランナー協会

「ブランディングを学びたいけれど、どの資格を選べばよいかわからない」「いまの仕事に活かせる内容なのか、費用をかける前に知りたい」。そんな方は、資格名だけでなく、学習後に取り組みたい仕事から候補を絞ると選びやすくなります。
企業の価値を整理し、言葉や制作物、発信の企画につなげたいのか。ブランド戦略の組み立て方を演習で学びたいのか。まず基礎知識を身につけ、理解度を確かめたいのか。目的によって、適した学び方は異なります。
この記事では、ブランディングを直接学べる資格・検定を4つ取り上げ、内容、費用、取得形式を比較します。
※本記事は、掲載資格の一つを運営するブランド・プランナー協会が制作しています。掲載順は優劣や人気の順位ではありません。各団体の公式情報を基に整理し、「向いている人」はカリキュラムから考えた編集部の見解です。
ブランディング資格は「学んだことを示す手段」として考える
ブランディングの資格を検討するときは、知識を学ぶことと、学習の到達点を相手に伝えることを分けて考えてみましょう。
「ブランディングができます」という説明だけでは、戦略を考えられるのか、企業の価値を言葉にできるのか、制作を進められるのかが伝わりにくいものです。資格は、どの学習・認定基準を満たしたかを示す手がかりになります。
監修者の視点:あいまいな専門性を、相手に伝えられる形にする
ブランディングは捉え方があいまいになりやすく、知識や技能を可視化して示しにくいテーマです。そのため、資格をキャリアやビジネスに活用する方は実際に多いと感じています。
これは監修者の経験上の所感であり、取得者全体を調査した結果ではありません。資格が個別の業務能力すべてを証明したり、受注・転職を保証したりするわけでもありません。
資格名に加えて「何を学び、どの課題にどう使えるか」を説明する。さらに、実際に取り組んだ内容を示す。この組み合わせを意識すると、資格取得を仕事につなげる道筋が具体的になります。
ブランディングの資格・検定おすすめ4選【比較表】
今回は、公式情報でブランディングに関する学習内容と費用を確認できた4つを選びました。講座と試験を組み合わせる資格と、知識を確認する検定を含みます。制度や認定水準が同一という意味ではありません。
比較表は横にスクロールできます。
| 資格・検定 | 学習の主な内容 | 受講・受検形式 | 公式掲載の費用(税込) | 更新費用など |
|---|---|---|---|---|
| ブランド・プランナー協会認定2級 | ブランド戦略、言語化、クリエイティブ、ディレクション、企画 | オンライン全5回・レポート・認定試験 | 受講料49,500円 | 年会費・更新費用なし。追試5,500円 |
| ブランド・マネージャー認定協会2級資格 | ブランド構築の基礎とステップ、グループ演習 | オンライン講座の場合、動画学習+Zoomセッション・試験 | 受講料121,000円+認定費用12,100円=133,100円 | 次年度から年12,100円の更新費用 |
| ブランディングデザインコーディネーター | デザイン経営・デザイン思考を基にした価値の言語化と表現 | オンライン講座・全4回 | 受講料110,000円 | 更新費用は参照ページに記載なし。希望する公式テキストは別料金 |
| デザイン思考検定〈ブランディング科目〉 | ブランドの基礎、分析、表現、発信などの知識 | オンライン試験(IBT) | 1科目の受検料11,000円 | 教材等の学習費用は別途確認。更新費用は参照ページに記載なし |
費用は2026年9月7日の確認時点。割引は反映していません。受講料と受検料は含まれる内容が異なるため、金額だけでの単純比較には注意してください。「記載なし」は無料・更新不要という意味ではありません。申込み前に、最新の開催条件・費用・認定条件をご確認ください。
出典:BP協会の受講方法・料金、BM協会のオンライン講座、BM協会の資格制度、ブランディングデザインコーディネーター講座、デザイン思考検定の概要
1ブランド・プランナー協会認定2級
運営は一般社団法人ブランド・プランナー協会。ブランド戦略から言語化、クリエイティブ、ディレクション、プランニングまでを扱います。全5回のオンライン学習とレポート提出を経て、認定試験に進む形式です。講座内容・受講方法
企業の特徴を整理するところから、コピーやWebサイトなどの企画・制作へつなぐ流れを学びたい方の候補になります。自分のペースで受講できるため、仕事と並行する場合は、学習・レポート提出の予定を自分で決めておくとよいでしょう。
松井寛志が挙げる資格の設計意図は、まだブランドを明確にできていない企業や、ブランドのアップデートが必要な企業に対し、ブランド構築の実務的な知見を役立ててもらうことです。名称を取得するだけでなく、自社や支援先の課題と結びつけて学ぶことを想定しています。
なお、デザインソフトの操作や実装技術を身につけたい方は、その学習範囲を別途確認しましょう。ブランドの企画・ディレクションと、個別の制作技術は分けて検討する必要があります。
2ブランド・マネージャー認定協会2級資格
運営は一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会。ベーシックコースを受講し、試験に合格すると取得できる資格です。オンライン講座では、動画による自己学習とZoomでの講義・グループワークを組み合わせ、ブランド構築のステップを学びます。公式講座案内
ブランド戦略の基礎を体系的に整理し、他の参加者と議論しながら演習に取り組みたい方の候補になります。独学では気づきにくい考え方の違いを、対話を通じて確かめたい方も、講座形式との相性を検討できるでしょう。
比較の際は、受講日程への参加可否に加え、取得後の継続費用も確認してください。2級資格は1年更新制で、次年度以降の更新費用は年12,100円(税込)です。更新時の制度・特典も含めて判断しましょう。公式資格制度
3ブランディングデザインコーディネーター
運営は一般社団法人ブランディングデザイン協会。講座では、デザイン経営・デザイン思考を土台に、ブランドステートメントやムードボードの制作を扱います。全4回のオンライン講座で、受講料は110,000円(税込)です。公式講座案内
企業の考え方を言語化し、表現の方向性を整理する演習に関心がある方の候補になります。企画担当者とデザイナーが、表現の狙いを共有できるようになりたい場合も、学習内容を確認してみましょう。
同講座は、デザイン思考検定のデザイン思考・ブランディング科目に相当する基礎知識を前提としています。受講前の準備や必要な教材、最新の認定条件を確認してください。更新制度についても、案内ページに記載がないことを理由に「更新不要」と判断せず、運営団体に確認しましょう。
4デザイン思考検定〈ブランディング科目〉
一般社団法人ブランディングデザイン協会が運営する検定です。3科目のうち、ここではブランディング科目を紹介します。ブランドの基礎から分析、表現、発信などを扱い、1科目の受検料は11,000円(税込)。試験はオンラインの択一式です。公式検定概要
まず基礎知識を学び、理解度を確認したい方の候補になります。まとまった講座に申し込む前に、学習テーマの全体像をつかみたい場合にも検討しやすい選択肢です。
ただし、知識を確認することと、提案を実行することは別です。実務での活用が目的なら、学んだ内容を自社や身近な企業の事例に当てはめ、考えを文章にする練習も組み合わせましょう。
自分に合う資格を選ぶ5つの基準
1学習後に取り組みたい仕事が含まれているか
「ブランディングを学ぶ」を、もう一段具体的にしてみてください。
- 自社の特徴や提供価値を整理したい
- クライアントへの提案に、表現の理由を添えたい
- 社内外の発信に一貫性を持たせたい
- ブランド戦略の基礎知識を整理したい
自分の課題に近い項目が、カリキュラムのどこにあるかを確認します。名称が似ていても、学習に時間をかける領域は異なります。
2知識の確認と、演習のどちらを重視するか
用語や考え方を整理したいなら、テキスト学習と検定が選択肢になります。自分の考えを組み立て、説明する練習をしたいなら、課題やワークの内容を確認しましょう。
演習がある場合も、個人課題かグループワークか、講師からのフィードバックがあるかで学習体験は変わります。必要な支援が案内に見当たらなければ、申込み前に質問しておくと安心です。
3仕事と両立できる形式か
自分のペースで学ぶ形式と、日時が決まった講座では、向いている進め方が異なります。日程だけでなく、予習、レポート、復習の時間まで考えて選びましょう。
「いつか学ぶ」では進めにくい場合は、週のどこで時間を確保するかまで決めておくことをおすすめします。
4取得までと、取得後の費用がわかるか
受講料のほかに、試験料、認定料、教材費、再受験費用、更新費用が必要かを確認します。学びたい内容や支援を含めた総額で判断することが大切です。
更新費用がある制度では、継続学習やコミュニティなど、自分が活用したい内容が含まれるかも確認しましょう。費用の有無だけで良し悪しは決まりません。
5取得後の説明までイメージできるか
資格取得後に「何の仕事を相談してほしいか」を考えてみましょう。
たとえば「企業の価値を整理し、Webサイトの企画に落とし込む仕事に活かしたい」と言えれば、講座を選ぶ基準も明確になります。職種名だけで候補を決めず、担当したい工程から選ぶことがポイントです。
資格取得を実務につなげる方法
身近な一つの課題に当てはめる
学習後は、最初から大規模なブランド刷新を目指す必要はありません。「会社紹介の内容が部署ごとに違う」「Webサイトで自社の特徴が伝わっていない」など、取り組める課題を一つ選びます。
以下は、学びを使う場面を説明するための仮想例です。受講者の実績ではありません。
あるWeb制作担当者が、サイトの見た目を考える前に、顧客企業へ「誰に、どんな価値を提供しているか」を確認する。聞き取った内容を整理し、掲載情報の優先順位と表現の方針を提案する。このように、学習内容を日常の判断や作業に置き換えてみましょう。
自分の役割と、判断の理由を記録する
実績として伝える際は、完成物だけでなく、課題、自分の担当範囲、提案の理由、実施後の変化を整理します。成果がまだ確認できていない段階では、売上向上などを推測で書かず、実施したことと未検証のことを分けてください。
資格は学びの説明に、事例は実践の説明に使う。この二つをそろえることが、相手に自分の専門性を理解してもらう助けになります。
ブランディング資格についてよくある質問
Q.初めて学ぶ場合、何を基準に選べばよいですか?
まず「知識の全体像をつかみたい」のか、「特定の仕事に使いたい」のかを整理しましょう。そのうえで、受講・受検条件、前提知識、演習内容を確認します。初心者向けという言葉だけで判断せず、公式のカリキュラムを見ることが大切です。
Q.資格を取得すれば、ブランディングの仕事を受注できますか?
資格取得だけで受注が決まるわけではありません。相談者の課題を理解し、対応できる範囲と進め方を説明する必要があります。資格で学んだ内容と、自分の経験・実績を結びつけて伝えましょう。
Q.デザイナーやライターにも役立ちますか?
表現をつくる前の価値整理や、提案の根拠を学びたい場合は、検討する意味があります。一方、操作技術や文章表現そのものを伸ばしたい場合は、その領域の学習も必要です。いま伸ばしたい能力に合わせて選んでください。
Q.資格名が似ていれば、学べる内容も同じですか?
同じとは限りません。運営団体、カリキュラム、課題や試験、認定基準を確認しましょう。「ブランド」「ブランディング」という名称だけでなく、具体的に何を学び、どのように認定されるかを比較することが大切です。
まとめ|資格名よりも、学びを使う場面から選ぼう
資格名だけで決めず、「学んだ内容を、どの仕事で使いたいか」から選ぶことが大切です。
ブランディングの資格・検定は、学習範囲と取得形式がそれぞれ異なります。まず自分が取り組みたい仕事を明確にし、内容、演習、学習形式、総費用、取得後の活用方法を比べてください。
ブランドがまだ明確になっていない企業や、ブランドの見直しが必要な企業に関わり、価値の整理から言語化・企画・ディレクションまで学びたい方は、ブランド・プランナー協会認定2級の内容をご確認ください。
学びたいことが講座の対象か迷う場合は、「現在の仕事」「困っていること」「受講後に取り組みたいこと」を整理してご相談ください。
監修:松井 寛志
一般社団法人ブランド・プランナー協会 理事長・ブランドクリエイティブ講師。企業ブランディングの実務と教育に携わり、ブランド戦略を言葉や視覚表現へ落とし込む考え方を伝えています。